30分/2005年/ドキュメンタリー
撮影:川瀬 慈・ジャマル・モハメッド
編集・録音:川瀬 慈
使用言語:アムハラ語(日本語字幕)
撮影場所:ゴンダール エチオピア連邦民主共和国
撮影:2004年
エチオピア高原には、早朝に民家の軒先で歌い、乞い、祝福の言葉を与えて去っていくラリベロッチと呼ばれる唄い手がいる。
ラリベロッチは高原中部の母村を拠点に、男女のペア、あるいは単独で、一年のほとんどを町から町を移動し活動を繰り広げる。彼らは、唄うことを止めるとコマタ(アムハラ語でハンセン氏病の意)を患うという差別的な言説のもと、謎に満ちた集団として人々のあいだで語られてきた。本作品は、ラリベロッチ老夫妻が、タナ湖北部に位置する古都ゴンダールにおいて行った活動を追いかけた記録である。ラリベロッチは、近所の住人たちに家々の主の名前、宗教、職業、家族構成等の情報をあらかじめ取材し、歌詞の内容へと反映させていく。そして金品などの喜捨を受け取ると、祝福の台詞をその人物や家族へ捧げ、次の家へと移動する。ラリベロッチに対する人々の反応は一様ではない。そこからは、親しみ、侮蔑、羞恥など人々の様々な感情が伺える。ラリベロッチ側も、たとえ人々に拒絶されても決してひるまず、絶妙なジョークによってその活動を正当化しつつ、人々の彼らに対する好意的な反応から邪険な対応にいたるまでユーモラスに歌唱にとりこんでゆく。本作では、唄い手と人々のゆたかなやり取りから成る路上のパフォーマンスに焦点を置いた。
